アニメ ハッピーシュガーライフは百合なのか?
どうも!ユリテラと申します。
実はこそこそと見ていた2018年夏アニメ 「ハッピーシュガーライフ」
何故こそこそ?と思われた方、実はこの原作とアニメ百合界隈では賛否両論で、
「主人公の猟奇さを楽しむ作品であって百合作品ではない」
とか
「誘拐された少女と恋愛ごっこをしてるだけ」
などの意見が多くあり、一応最後どうなるのか原作も追って見ている自分としては、
正直かなり語りづらいなという
隠れキリシタンの様な心境で見ていたアニメ ハッピーシュガーライフ。
アニメが完結したので今回語っていきたいと思います。
結論から書きますとGL(ガールズラブ)作品です。
ちなみに今回それなりの長文となっておりますので、見づらい場合は申し訳ないです。
※[注意書き]この記事にはネタバレを含みます。作品をご覧にならないとあまり分からない様に出来る限り配慮して書きます、ご理解ください。
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ハッピーシュガーライフとは
愛を知らないまま育ち、愛を求め続ける高校生 松坂さとうと
愛を与え続けて来た結果捨てられてしまった少女 神戸しお
との恋愛作品である事は間違ってはいないのではないかと思います。
作品初期の段階では頭がおかしい高校生が少女を監禁して、自分の都合の良い環境を守る為に頭のおかしい人と戦う!みたいな話でしたが。
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この作品の百合的転機
主人公松坂さとうの親友飛騨しょうこがハッピーシュガーライフ(家)まで踏み込んできたシーンから流れが変わります。
作品で唯一常識的な親友は、主人公に対してやってる事は肯定はしないけれど、変わってくれる事を信じている、警察にも言わないと告げるのですが(原作を見たほうが分かりやすいと思います)
松坂さとうは試すような形とはいえ、一度親友に裏切られた経験をしているのでまったく信用していません。何を言おうがその辺に落ちてる石ころが何かしゃべっている様な感覚で接っしているような描写です。
狡猾で打算的な主人公さとうが信用できない他人を逃がす訳はありません。
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さとうとしおの心
この事を発端に松坂さとうと神戸しおの心同士がぶつかり始めます、2人のハッピーシュガーライフである家を基本的に松坂さとうだけがコントロールしています、その上にしおちゃんが大切に想っていた家を手放して
もう維持出来ないから別の所に行こうとさとうは提案します(強制)
しおちゃんキレます、「は?さとちゃんにとって私はなんなの?」と
「詳しい話はしてくれないし、ただ居るだけの存在は別に私じゃなくてもいいし、2人である必要もないじゃん」
辛辣な批判をし、お前の単なるエゴの為に存在してるんじゃない と取れるような発言を吐き捨てて別の部屋に移動します。
さとうはパニック状態に陥り、慌ててしおちゃんが居るであろう部屋の前に駆けつけて必死に弁明をします、あくまで私は悪くないけどなんか気に触ったんかな機嫌が悪いだけだろうと思っていて、相手に都合の良い言葉を並べてなんとか気を取り直そうとします。
しおちゃんはさとうが自分の気持ちを理解していない事にキレて、
「一緒にいたくない、嫌い!」
さとうはショックのあまりに干からびて死にそうになります、好きな人から嫌いだと言われる事がこんなに辛いのかと、しおちゃん助けて「寂しいよ」とボソッと呟きます。
しおちゃんもその言葉に共感したのか部屋のドアを開けてさとうに言います、
ずっと私も寂しかったんだよ、一人で頑張る必要はないんだよとさとうを諭します。
2人は不完全だから1人だとお互い心が欠けてて寂しいよだから一緒にいるんでしょ?
しおちゃんはさとうの心に寄り添います。
おそらくこのしおちゃんの優しさに松坂さとうは
神戸しおと最初に出会った時に感じて惹かれたのではないでしょうか?
しおちゃんはさとうと抱き合い、こう言い放ちます。
「死ぬときは共犯者でいさせて」
さとうは喜びに満ちた溢れた顔で涙もポロポロ流します、原作とアニメ共通の百合的見所だと思います。
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強い想い
松坂さとうの一方的な恋愛感情がようやくここでしおちゃんの心と重なるシーンで大事な描写ですね。
さとうはしおちゃんが都合の悪い存在になったら捨てるのかと思いきや、本当に大切にお互い想っていた事が確認できます。
これだけでもGL(ガールズラブ)作品として個人的に成立していると思っているのですが、ここから先の逃亡編からはアニメオリジナルの展開になります。
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原作にはないアニメオリジナル展開
アニメ最終話、逃亡する作戦を企てて実行しようとするのですが、住んでいたマンションの1階でしおちゃんの兄である神戸あさひにさとうとしおは見つかり、
なんとかしおちゃんを取り戻そうとして妨害します。
兄であるあさひ君は、離れ離れになってしまった家族を取り戻して幸せになる事だけの為にいままで様々な苦労をして耐えてきました。
当然家族が一緒になって暮らす事を絶対的な幸せだと感じて行動しています、絶対しおを取り戻そうとします。
作戦の一環の証拠隠滅の為にさとうの叔母がさとう達の部屋を盛大に燃やしたマンションの中で、さとうとしおはなんとかして逃げ出そうとするのですが
追いつかれ、さとうはあさひに金属バットで殴られ足を負傷します。
そんなさとうをしおちゃんは庇います、あさひには理解不能な行動ですからしおちゃんを説得しにかかります。
神戸あさひは母親はしおを捨てたのではなくて、
しおちゃんに暴力をふるってしまった自分から離れさせる為でもあり、
不幸の源であるしおちゃんとあさひの父親を母親である自分が殺し、罪を自分1人に着せる為に捨てたのであり、しおを捨てたくて捨てた訳ではないと言います。
しかしそんな事はしおちゃんに取ってどうでもいい事なのです。
しおちゃんが捨てられた時に負った心の傷は大きくもはや修復不可能なものであり、家族の幸せなんて考えられないものとなっていました。
しおちゃんが選んだ幸せとは自分の幸せの為に行動する事で、さとうと一緒に居る事を選びます。
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さとうの心
しかしもうハッピーシュガーライフなどなく、居るのは燃え盛るマンションの屋上で逃げ場はありません、例え生き残ったとしてもさとうは人を殺めてしまっているので捕まります。幸せな生活など到底望めない状況。
そこでマンションの屋上でしおちゃんはさとうに提案します、屋上から落ちて心中しよう、と
さとうもそう思っていたのか嬉しそうな顔で同意します。
幸せになれないなら好きな人と一緒に人生を終えたいという事なのだと思います。
そしてしおちゃんがさとうの胸に飛び込む形で屋上から落ちます。
その時、マンションの屋上から落ちていく中、走馬灯の様にさとうはしおちゃんとの思い出や一緒にこうしたかったなどの気持ちや感情が走ります。
さとうは落下中にしおちゃんに微笑みかけます、しおちゃんもそれに答えるかの様に恐怖を抑えながら微笑みます、そして優しく「ごめんね」としおちゃんに言い、しおちゃんを身体で守る形となってシーンは終わります。
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最終話 個人的に思ったこと
個人的な見解なのですが、最後にさとうは心中しようと言ってくれたしおちゃんに対してすごく嬉しかったのだと思います、
と同時に例え自分が死んだとしても、しおちゃんには生きて欲しいと願ったのだと思います。
最後の最後に自分勝手な考え方かもしれませんが、さとうは空っぽだった心が最後にはもう入らないぐらいのしおちゃんの愛を感じて、自分自身の罪もありますが、
自己犠牲の精神を払ってまで守りたかったんだろうなぁという強い想いを感じました。
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最後
最後のシーンしおちゃんは入院していて生きている事が分かるのですが、兄のあさひがお見舞いに来た時に、しおちゃんがさとうの最後の気持ちを理解出来なかったけれど、それがなんだったのか一生を掛けて理解しようとする描写があります。
しおちゃんの幸せであるハッピーシュガーライフは心の中に残り続け、それ以外を求めない描写で作品は終わります。
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まとめ ハッピーシュガーライフはGL作品だがメリバ
メリーバッドエンドと呼ばれる物で周りは不幸ですが、本人は幸せな心境で作品は終わります。
百合作品でバッドエンドは個人的には好きではないのですが、
強い想いが表現されている作品で感動した嫌いではないバッドエンドでした。
様々な作品を比べても個人的な百合的評価ですが
プラトニックなGL(ガールズラブ)作品だと言っても過言ではないと感じました。
だいぶ端し折って書きましたが、原作は連載中で終わっていないです。
※2018年10/18現在
アニメはOP EDの曲も良く印象的でしたが,
原作ではどんな結末になるのでしょうか?アニメとは少し設定も違ったりするので気になる所ではあります。
今回はここまで!いつもの3倍近い長さになりましたがここまでご覧頂きありがとうございます!それでは