百合作品大樹の都 個人的考察まとめ ユリトラジャンプ
どうも!ユリテラと申します。
今回はユリトラジャンプを読んで、一番個人的に良かったなぁと思った作品。
作者様がびよらさんの、大樹の都
についてかなり考察していこうかな、と思います(笑)
何がそんなに良かったのかと言いますと、深~~~~~~い洞察力と深い愛を持ったキャラクターが出てくるのですが。
その愛の重さや、愛の深さに共感しました(笑)
正直個人的に大樹の都だけでも良かったぐらいの勢いで、好きになりました(笑)
良質な作品と出会えた時、その作品は自分の中でその値段以上に機能します。
自分の資産となるのです(笑)言うなれば心の資産です!
みなさんも心の資産、つまりお気に入りの作品があるのではないでしょうか?
大樹の都について語っていきたいと思います!
-
実は本質を見抜いているキャラクターがいる
大樹の都の重要な評価ポイントは、
あらゆる物事を洞察し、考察が終わっている知能の高いキャラクターがいる事です。
2人のキャラクター
- しっかり者のキーラ
- ぼんやり者のユマ
この2人が出てくるのですが、
(この2人の名前の相関関係を探って見ましたが、ピンと来るものがなかったので割愛します)
非常に対照的な2人で、基本的にキーラが主導権を握っていますが、
実は普段はぼんやりしているユマ、この子は全てを見抜いています。
「作者が考えた作品なんだから当たり前だろ!」
という声もやや聞こえますが、(笑)
本質はそこではないと考えていて、全てを見抜いた洞察力を持ちながら、
キーラに対してユマは、深い依存とも呼べる関係性が出てくるのです。
基本的にユマはキーラの人格をとても大切にしていると言えます。
何故なら、ユマはあらゆる可能性について、考察・推測が済んでいると考えられるので、
キーラの事以外どうでもいいのです。
大樹の都が見えてきた時ユマはどう感じたでしょうか?
おそらく、
「あれは10年前に流した樹の実である可能性がある」
と思ったのではないでしょうか?
何故かと言いますと、物語中盤に大樹の都は、10年前に流した樹の実である事が分かるのですが。
ユマは完全な理解をしていました。
全体を通して見終わってから、最初のページを見ていただければ分かると思うのですが、基本的にユマは理解できる事はあらゆる尺度で分析して理解します。
そんなユマが、最初の1ページ目でキーラに対して
「この実は何?」と聞くこと自体が
既に異質なのです。
キーラは理解できるかな?と問いかけますが、キーラも知りません。
しかしキーラは推測をしました、その推測をユマは10年前から覚えていたのです。
そして、ユマもまたその推測で合ってるかもしれないな、と感じていたからこそ、大樹の都が10年前の物だと知っても特に驚かなかったのです。
-
ユマの思慮深さ
ユマは基本的に驚かない子です。
既に分析済みか、考察可能なものだと理解しているからだと思います。
キーラもまた使命感の強い真面目な子だと分かるのですが、
それを凌駕する知性をユマは持ちます。
記憶・分析・理解。
この3つがユマの中で完了しているのです。
-
ユマの愛の重さ 本質的理解の深さ
個人的に書くべき事はこの事です(笑)
ユマの愛すごく根深いです!
キーラさえいれば、どんな組織から見放されてもどうでもいいのです。
それが例え生命に関わるとしてもどうでもよく。
キーラがいればなんとでもなる!と考えています。
それは思考停止ではなく、むしろ逆かもしれません。
2人で生きていく術をなんとかして見つける、という意思表示でもあるのです。
残酷な現実を知っていても、ユマは次の手段を模索します。
これは強い精神性が問われていると言えます。
例えるならキーラとユマが所属している組織は、国家だとします。
その国家から見放され、連絡を取ることが一切できなかった場合。
強い不安が襲ってくると思います。事実キーラは不安感に終始包まれていました。
「組織から見放されたらどうすればいいんだろう・・・」
見識の深いキーラですが、その代替案を提示する事が出来ず、不安になります。
それでもユマには不安を見せたくない、というキーラなりのユマに対する配慮があります。
キーラは自分こそがリーダーであり、ユマを導かなければという強い使命感と帰属意識を持ちます。
ですが、ユマこそが本質的なリーダーとも呼べる存在であり、あらゆる可能性に対する考察が根深いです。
キーラもあらゆる物事に対する知識があるのですが、ユマは更に知識が深いです。
大樹の都を最初に見たとき。
キーラは見たことがない上に、どんな構造をしているのか理解が追いつかず。
様々な角度から物事を見ます。
しかし、何故このような大樹の都が存在しているのか、皆目検討が付きませんでした。
ですがユマは違います。可能性を残しているのです。
それも10年も前の事を。
つまり「自分(ユマ)もキーラも知らないぐらい特殊な実なのかも知れない」
という思慮の深さをユマは自分の中で残しています、そしてそれがどのように機能するのかおおよその推測を立てています。
ですから大樹の都を見ても、感情が特に何もなかったのです。
それはユマの中で「推測可能な物だった」という事です。
根拠としては、最初のページのキーラの推測です。
その立体的な思慮深さは、あらゆる物を推測している可能性を与えています。
ユマはそんな本質的な物事を抜き取る力がありながらも、
「キーラさえいればそれ以外は何もいらない」
という結論に達しているのです。
-
ユマの発言一覧
ユマのキーラに対する愛の重さ、伝わるでしょうか(笑)
ユマはこんな事も言っています。
「私にとって帰るべき場所はキーラがいる所だから」
「隊長は私のランタンだね」
「見てればわかるよ、ずっと見てきたもん」
「今まで通り、二人ならきっと大丈夫!」
(大樹の都より引用)
めちゃくちゃ重いです(笑)なおかつめちゃくちゃ想いがあります。
帰るべき場所とは人生の終着点だと考えられます。
一生愛する宣言のようなものです(笑)
事実、船団から見放された事を既に、おそらく大樹の都に付く前の段階で、
トランシーバーが機能していない事を理解したもしくは、
キーラの行動から来る不安感を感じ取り、重大な問題が発生している事を理解したのだと推測している、と個人的に考えています。
それでも、別にユマに取ってどうでもいいのです(笑)
何故なら元々
キーラがいなくなる事のほうが問題
だとユマは認識しているからです。※根拠 ユマが持つ洞察力を隠した事
ですので、キーラのユマを助けたいという使命感から来る配慮を汲み取り、ユマはその配慮に答えるようにキーラに対して配慮をしたのです。
その結果、ユマはあらゆる物を知らないフリをしたのです。
あらゆる物事の本質を抜き取る力を隠して、キーラと一緒にいるのです。
個人的に愛が重すぎてすごい!と思ってしまいました(笑)
物語終盤、キーラはユマの徹底的な思慮深さを知るのですが、それでもユマの提案に対して答えます。
ユマはキーラに対して、いつでも攻撃的な性質を向ける事が出来たと思います。
ですが、ユマは一度もしませんでした。それはキーラが良く理解していると思います。
最終的にユマの愛の重さを知り、ユマの想いを受け止めたのです。
それは、ユマを信じた事もありますが、今まで2人で一緒なら大丈夫だった過去から来るキーラに対する人格の配慮と信頼です。
何故大丈夫だったのか、例えば人生において、大丈夫な事はまず在り得えないと言えます。
何故なら一般的観念からは予測不能な事が降り注ぐからです。
そしてそれは無慈悲に、現実的に来ます。
事実この作品では、国とも呼べる船団から見放されます。
それを常に回避させていたのがユマであると考えます、
深い思慮と知識を推測させます。事実その結果、キーラは誤解をしていました。
自分がランタンなのだと!ユマにとって自分というランタンがなければ道を照らす事は出来ないと。
この誤解は半分事実だと思います。
何故なら、ユマに取ってキーラが一緒に生きていてくれる事が自分にとってのランタンだからです。
キーラが一緒にいてくれるからユマは強く生きていけるのです。
ユマにとってキーラは人生そのものだと言えると思います。
-
まとめ 強すぎる想いを感じた百合作品!
作品に描写されている、作者様の思念をユリテラシーで辿って考えてみました!
大樹の都、個人的にとてもお気に入りの作品です。
ユマの想いはまったく盲目的ではありません。
何故なら、現実との乖離をする事なく理解しているのです。
それは依存とも呼べるほどの、ユマの人間性からくる強い理性なのです。
ユマのキーラに対する愛の深さ、重さ、そしてそれを受け止めたキーラの大きな器は愛とも呼べるのではないかと思います。
百合的にはGL(ガールズラブ)作品です。
ぜひ読んで見て下さい!重すぎるユマとキーラの想いは素晴らしいものだと思います。
今回はここまで!ここまでご覧くださりありがとうございます!それでは
※ちなみにこの作品は「好き」という言葉を使わずにここまで推測可能だと思うことが出来る描写がされています。
個人的に、想いの本質そのものに対する問いかけだと思います。
<関連記事>